はじめての尋問(おつかい)

この仕事について、初めての民事の尋問は、事務所にいた先輩の退所に伴い引き継いだ、医療過誤案件の尋問であった。カルテの翻訳から、協力医とのやりとり、後にしばらく相談担当をして研修に参加することになった日弁連交通事故センターの先生方ほどではないが、多くの医学書をあたり、日本語データベース(JICST)英語でのデータベースをあたり、事故が起こった当日の現場(緊急搬入口)なども見に行って確認した(最後の患者搬入口は今考えると必要なかったかもしれないが、当時はなんでもやった。)。
事実はそれが存在する限り、相手方がそれを語る可能性がある。医師側専門事務所弁護士に引き続き、適性証人である医師への尋問となった。なりたてでさらに未熟な自分であったが、カルテの記載だけでなく、その具体的な経路を、自分でもその病院の現地の場所を見た記憶をたどりながら、かなり具体的に想起できるよう聞いた。すると、医師はその緊急搬入時の患者の姿を想起したようであり、暴れるので手足を拘束して搬入される姿について語りだした。カルテにはないが、それは、患者について、手おくれとされる状態と矛盾する患者自体の挙動であった。正直運に助けられたとしかいいようがなかったが、つたなくても、事実はそこにあったのであった。以後、自分の関心は、弾劾などだけでなく、何が事実なのか、が中心になるようになっていった。

Follow me!